さて諸君,激辛でのコメントはちと上級の要素が含まれていたので,実はそのまま 使うとうまくいかないことも多いのです. そこで,このページまでたどりついた皆さんには,当日伝えられなかった新人向けの メッセージを少し語ってみたいと思います. |
まず選曲から. あなた方は,どうして今日の演奏曲を決めましたか? 多くの場合,メンバーの 誰かが推薦した(やってみたい)曲を選ぶのだろうと思います.でも男性ボーカルの 曲を女性がそのままのキーで歌うと,どうしても無理がでてきます.主にサビの 部分が自分の一番魅力的な音域を外れてしまうことが多く,伝える力が半減して しまうのです.またハイトーンの得意なアーチストの声を無理に出そうとしても, 変に裏返ったり,正しい高さまで出ずに音を外したりするのです. もうおわかりですね.あなたのバンドのVoさんが出せる(コントロールできる)音域を 知っておいて,それに合うように楽曲のキーを動かさないといけないんです. 特に初心者のうちはすぐにキーを変えることができませんから,始めの設定を きちんとしておきましょう. バンドスコアを使うならタブ譜に書いてある数を+1すれば半音上がるってこと. ギターではカポを,キーボードではトランスポーズを使ってキーを変えることも できますよ. 次に気になったのは,音色です. かつては,どんな曲も歪みまくったギターで弾く人とか,シンセサイザーの音など と言ってブラス系やオルガン系の音を合わせようとする人がいましたが,流石に 最近ではほとんど見なくなりました.機械的に容易にいろんな音色が設定できる ようにはなりましたが,それでも十分に吟味されていない音をまだ見かけます. そしてそれぞれの音色によって弾き方も変えるのです. でもまぁ最初のうちは,しっかり鳴らすことからでいいと思います.特に音長が 短くなりがちなのを数多く見受けました. そうしてしっかり音が出せるようになったら,弱拍を作れるようにするとよい です.Drさんで,Aメロもサビも同じ強さで叩いている人が結構いましたよ. |
次に,普段の練習について振り返ってみましょうか. バンドメンバーが集まって練習をするのですが,そこでずーっと個人練習を しているという場合を見かけます.それ,みんなと一緒にやる必要のないこと だろうということをだらだらやっていては時間の無駄になります.皆で定めた 練習日までにどこまでを個人練習してくるかを決めておく.皆が集まったとき には,互いの音とリズムを聞いて合わせる練習とするべきですよね. また,誰かが聞く役をしてズレがないかチェックすることも必要だと思います. プロがやってみせる演奏を完コピするのは,そう簡単なことではありませんから, 自分なりにアレンジし直すことも大事なことです. さぁいよいよライブへの出演が決まったとき. 具体的な目標ができると俄然ヤル気がでます.でもまだ,ライブに合った選曲 などできませんから,今の手持ち曲を精一杯披露するしかありません.ただ, 気をつけてほしいのが,ステージの始めから終わりまでの間には,演奏以外の 部分が存在するのです.曲間にはチューニングの手直しなど優先すべきことは いくつかあるでしょうが,一番優先的に考えるべきは,見てくれているお客さん ではないでしょうか.例え上手にはしゃべれなくても,きちんと話そうとすべき だと思います. |
ライブが終わったら,是非反省会を開いてください. 映像や録音音源などで客観的に自分を見ると,次への課題が見えてきます. 自分の姿を見たり音を聞くのは,何やら恥ずかしいものですが,これは何度も 繰り返し見てみましょう.自分がやろうとしていたことが,どういう状態で前 に伝わっているのか. 要は向上心を持って,次に繋げていくってことです. |